その544 注文の難しい料理店 2024.12.8
2024/12/08
夕方、講演会があった。
前振りが少し長くて、どうなるんだろうと思って聴いていると、
それが次第に本題に融合していくお話であった。
演者の方が冒頭「人の話を聞くためには、教養がいる」
(ゲーテの言葉だそうです)と言われた。
この場合の「人」というのは自分が相対する人、相談を受けようとする人のことだが、
講演そのものに教養が必要な話であった。
整理しながら理解するのに多少苦労したけれど、ディスカッションの時間もあって、
参加した方が日頃のご苦労している問題点も分かる良い講演会であった。
講演会の後、食事をする店をさがしたが、
時々訪ねる店は混み合っていて入れなかった。
入ってみたいと思いながら横を通るだけだった店のドアを、気持ちを決めて押した。
「ご予約のなんとかさん?」
「いいえ、」
「なんとかさん?」
「違います。一人ですが。」
「ああ、、どうぞ、、、少しお料理にお時間いただきますが、大丈夫ですか?」
「いいですよ。」
ということでカウンターに着席。
目の前には飲み物のメニューがあるが、食べ物のメニューはない。
テーブルにQRコードを印刷したビニールケースが置いてあって、
これを読み込んで注文してくれという。
こういう店には慣れていないので、できるかどうか不安だったが、
私のスマホの画面にメニューが現れた。
料理も飲み物もこれで1品、2品と注文するようだ。
私の世界ではパソコンでCDや書籍を注文する感じだ。
生ビールを注文すると思ったより小さいグラス。
突き出しを食べている間にあっという間に空になったので、中ジョッキを頼もうと思う。
マスターはカウンターの向こうに居るのに、
「ビールを大きいので」とは言わずに、またスマホで注文。
中ジョッキは少ししてスタッフの方が
「後ろから失礼します。」と持ってきてくれた。
料理を2品、+1, +1と注文したけれど、その一つはちょっと辛くて、
グラスのビールを再び +1と注文。
清算がキャッシュレスではないかと恐れていたが、
そこは現金でお釣りも出てきて一安心。
注文を「おおい!」と言っても出てこない料理店でした。